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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

宮部 みゆき

独自に収集した評価データで選ぶ、"本当に愛されている小説"のランキング

PROFILE

東京都江東区深川生まれの小説家。OLや法律事務所勤務、東京ガスの集金課などを経て、1987年に短編「我らが隣人の犯罪」でデビュー。クレジットカードローンによる多重債務問題を描いた「火車」で山本周五郎賞、「理由」で直木賞、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞など数多くの文学賞を受賞した。現代ミステリーを中心に、江戸の人情を丁寧に描いた時代小説、ファンタジーやジュブナイルまで幅広いジャンルを手がける。社会の不安や理不尽さへの怒りを作品の原動力とし、普通の人々を主人公に据えた視点が持ち味。緻密なプロット設計をせず冒頭から書き進める独自のスタイルで知られ、「ソロモンの偽証」のような原稿用紙4700枚超の大作も生み出している。大沢在昌、京極夏彦とともに大沢オフィスを共同設立している。

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ランキング

1ソロモンの偽証

ソロモンの偽証

2012年刊行

15,781pt

TOTAL SCORE

クリスマスの未明、一人の中学生が校舎から転落し命を落とした。自殺か、他殺か、事故か。真相が霧の中に沈む中、「同級生の犯行」を告発する謎の手紙が関係者のもとへ届く。過剰報道が火に油を注ぎ、学校・保護者・地域を巻き込んだ犯人捜しが公然と始まる。大人たちが事態の収束だけを優先し真実から目を背ける中、「なにもわからないままでは前に進めない」と立ち上がったのは、捜査一課の刑事を父に持つ中学3年生、藤野涼子だった。彼女の呼びかけで動き出した、前代未聞の学校内裁判。検事役、弁護人役を担う中学生たちが、証拠と証言を積み上げながら事件の核心へと迫っていく。大人顔負けの丁々発止の法廷劇は圧巻で、「久しぶりに夢中で読んだ」「めちゃくちゃ集中して内容の濃い映画を見終わったような感覚」と読者を唸らせる。そして最後の証人による偽証が明かされるとき、裁判の風景は根底から覆される。一つの死をめぐる人々の悪意と、それに抗う少年少女たちの奮闘を描いた、現代ミステリーの最高峰。

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絶賛6,143
好評7,835
普通3,568
不評387
酷評87

TOTAL 18,020 reviews

2模倣犯

模倣犯

2001年刊行

14,056pt

TOTAL SCORE

公園のゴミ箱から発見された女性の腕、それは比類なき知能犯が仕掛けた、史上最悪の連続誘拐事件の幕開けだった。第一発見者の少年、孫娘を奪われた老人、事件を追うルポライター、そして捜査に当たる刑事たち。被害者、遺族、加害者、マスコミ、それぞれが異なる立場からひとつの事件を見つめ、その視点が幾重にも重なり合いながら物語は深みを増していく。犯人はテレビの生放送や被害者遺族に向けて不敵な挑発を続け、劇場型犯罪の様相を呈していく。事件はやがて収束するかに見えたが、真犯人は生きているという衝撃の主張が飛び出し、再び闇の中へと引き戻される。あらゆる邪悪な欲望を映し出した犯罪劇は、最終章で予測不能の展開を迎える。全2500ページを超える長編でありながら、一読者をして「家事も育児も放り出して没頭した」と言わせるほどの圧倒的な吸引力を持つ、現代ミステリの金字塔。

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絶賛5,389
好評5,284
普通5,457
不評325
酷評108

TOTAL 16,563 reviews

3火車

火車

1992年刊行

12,684pt

TOTAL SCORE

休職中の刑事・本間俊介のもとに、遠縁の男性から婚約者の捜索依頼が舞い込む。姿を消した女性、関根彰子は、自らの意思で徹底的に足跡を消していた。なぜ彼女はそこまでして自分の存在を消さなければならなかったのか。謎を追ううちに浮かび上がるのは、カード社会が生み出した自己破産者たちの凄惨な実態だった。「ただ幸せになりたかっただけ」、それだけなのに、両親も法も守ってくれない。追い詰められた者が最後に選ぶ逃げ道とは何か。一点一点の状況証拠が積み重なり、薄皮を剥がすように真相が明かされていく構成は見事で、後半からは一気読み必至の展開となる。そして最終章、長い追跡の末に刑事と読者が対峙するラストシーンは、鬼気迫る筆致で描かれ、深い余韻を残す。山本周五郎賞に輝いた、ミステリー史に残る社会派の傑作。

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絶賛4,624
好評5,129
普通5,315
不評579
酷評168

TOTAL 15,815 reviews

4ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー

2003年刊行

10,181pt

TOTAL SCORE

ゲームが大好きなごく普通の小学5年生、三谷亘の日常は、父親の突然の告白によって音を立てて崩れ始める。両親の離婚という、どうにも抗えない大人の事情に翻弄されながら、亘は「運命を変えたい」という純粋な願いを胸に抱く。そのきっかけとなったのは、幽霊が出ると噂される近所のビルで目撃した、謎の光を放つ扉だった。扉の先に広がるのは、幻界と呼ばれる異世界。魔法と怪物が支配するその世界で、亘は見習い勇者として、どんな願いでも叶えてくれるという女神の住まう運命の塔を目指す旅に出る。仲間との絆、異なる価値観を持つライバルとの対峙、そして幻界そのものを揺るがす巨大な危機。RPGさながらの壮大な冒険を通じて、亘はひたむきに成長していく。世界を変えるのではなく、自分自身が変わること。その答えにたどり着いた少年の旅路は、読む者すべての胸に深く刻まれる。

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絶賛3,110
好評3,196
普通5,429
不評429
酷評133

TOTAL 12,297 reviews

5レベル7

レベル7

1990年刊行

7,855pt

TOTAL SCORE

「レベル7まで行ったら戻れない。」謎めいた言葉を日記に残し、忽然と姿を消した女子高生。一方、見知らぬ部屋で目を覚ました若い男女の腕には、「Level7」という文字が刻まれていた。自分が何者かさえ分からない二人と、少女の行方を追うカウンセラー。二つの物語は交互に語られながら、まるで磁石に引き寄せられるように東へ東へと向かい、やがて一つの凶悪な事件へと収束していく。点と点が線になり、やがて面になる。その精密な構成は読者を圧倒し、真相は二転三転を繰り返す。凶悪な精神病院、過去の惨劇、そして徐々に明かされる黒幕の正体。読み終えてプロローグへ戻れば、また最初から読みたくなるという声も多い、エンドレスで楽しめる傑作。七百ページ超という分厚さでありながら、一気読みを誘う展開の妙は、著者デビュー期の力量を存分に示している。重厚でありながら読後感は爽やか。伏線の全てが回収されるラストに、静かな感動が待ち受けている。

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絶賛1,686
好評2,493
普通3,579
不評321
酷評66

TOTAL 8,145 reviews

6孤宿の人

孤宿の人

2005年刊行

7,753pt

TOTAL SCORE

瀬戸内海と山々に囲まれた讃岐国・丸海藩に、九歳の少女ほうは捨て子同然に置き去りにされる。藩医の家に引き取られたほうだったが、やがてその家の者が命を落とし、同じ頃、妻子や側近を手にかけた咎で流罪となった幕府要人・加賀殿が藩に送り込まれてくる。領民が悪霊と恐れるその男の到来と前後するように、藩内では不審な毒死や怪異が相次ぎ、藩の存亡をかけた謀が水面下で静かに動き始める。やがてほうは、加賀殿が幽閉される涸滝の屋敷へと下女として住み込み、頑なに心を閉ざしていた男と、静かな手習いの時間を通じて魂を通わせていく。自らを阿呆のほうと語る少女は、理を解せないがゆえに物事をただ真っ直ぐに受け止め、周囲の大人たちが見失ったものを映し出す。上下合わせて千ページを超える大作でありながら、読者が口を揃えて一気読みと証言する圧倒的な筆力で、孤独な魂たちの触れ合いを描き切った、感涙必至の時代長編。

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絶賛1,692
好評1,629
普通1,277
不評152
酷評25

TOTAL 4,775 reviews

7ぼんくら

ぼんくら

2000年刊行

7,494pt

TOTAL SCORE

江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に、八百屋の息子が何者かに命を奪われる事件から物語は幕を開けます。その直後、住民の信頼を集めていた差配人が忽然と姿を消し、さらには三つの家族まで次々と長屋を去っていきます。いったい、この長屋で何が起きているのか。そこに乗り出すのが、自他ともに認めるぼんくら同心、井筒平四郎です。嫌だ嫌だと言いながら結局は面倒ごとを引き受けてしまう、そんな平四郎の人柄がたまらなく愛おしい。そして物語を鮮やかに彩るのが、目測で正確な寸法を測る超絶美形の甥、弓之助と、何でも暗誦できる少年おでこの二人組。煮売屋のお徳や若き差配人の佐吉ら、個性豊かな登場人物たちも物語に深みを添えます。一見バラバラに見える出来事が、やがて十七年前の湊屋にまつわる因縁へと収斂していく構成の巧みさは圧巻です。人情ものかと思えばミステリー、ミステリーかと思えば人情もの。そのどちらも堪能できる長編時代ミステリーの傑作です。

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絶賛1,373
好評1,988
普通2,009
不評64
酷評26

TOTAL 5,460 reviews

8楽園

楽園

2007年刊行

7,107pt

TOTAL SCORE

未曾有の連続誘拐事件から9年。深い心の傷を抱えたままのフリーライター、前畑滋子のもとに、ある女性から奇妙な依頼が舞い込む。12歳で交通事故により命を落とした息子の等が、超能力を持っていたのかどうかを調べてほしいというのだ。等が残したノートに描かれていたのは、報道すらされていない、9年前のあの山荘の光景だった。調査を進める滋子の前に浮かび上がるのは、16年前に起きた少女失踪事件の闇。土井崎夫妻はなぜ、我が子に手をかけねばならなかったのか。謎が謎を呼び、物語はやがて一つの大きな奔流となって驚愕の結末へと向かう。ひとり息子を愛し育てた母・敏子の存在が、陰惨な事件の中に忘れがたい光を灯す。家族の愛と憎しみ、そして鎮魂。「楽園」というタイトルの深い意味は、最後の一ページを読み終えたとき、初めて明らかになる。先が気になって手が止まらない、読者を容赦なく引き込む圧巻の長編ミステリーだ。

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絶賛1,154
好評2,568
普通2,346
不評216
酷評43

TOTAL 6,327 reviews

9おまえさん

おまえさん

2011年刊行

7,049pt

TOTAL SCORE

痒み止め薬を売り出していた瓶屋の主人が、寝所で一刀のもとに命を奪われた。本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される若き同心・信之輔とともに探索を開始する。するとその太刀筋は、以前に見つかった身元不明の亡骸とまったく同じだと判明。二つの事件をつなぐのは、二十年前に隠された罪と薬にまつわる因縁だった。登場人物の多さと複雑に絡み合う人間関係に翻弄されながらも読む手が止まらないのは、まさに「宮部みゆきにしか書けない奇跡の大長編」と評される圧倒的な筆力ゆえ。平四郎の甥・弓之助による謎解き場面は圧巻で、江戸の少年版ホームズとも呼ぶべき鮮やかさを見せる。「因縁というものは、どこかで断ち切るかほぐすかしないと、かならず悪事を呼び寄せる」という言葉が物語全体を貫く。男は男の嘘をつき、女は女の道をゆく。泣いて笑って心癒やされる深川人情ミステリーの完結編。

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絶賛1,220
好評1,547
普通624
不評56
酷評13

TOTAL 3,460 reviews

10あんじゅう 三島屋変調百物語事続

あんじゅう 三島屋変調百物語事続

2010年刊行

7,018pt

TOTAL SCORE

江戸の袋物屋・三島屋を舞台に、姪のおちかが一対一で不思議な話を聞き集める、百物語の第二集。ある事件を境に心を閉ざしていたおちかが、語り手たちの言葉に触れながら少しずつ内側から解けていく様子が、物語の縦軸として静かに流れています。収められた四つの話は、怖さの色合いも温度もそれぞれ異なります。水を枯らす神様に魅入られた少年の話、双子の姉妹をめぐる人の業と呪いの連鎖、そして表題作となる暗獣にまつわる切ない交流。人が恋しいのに人のそばでは生きられない存在、くろすけと老夫婦の触れ合いは、読者から「こんなにせつなくて哀しいのに、温かくてぼろぼろ泣いてしまった」と絶大な支持を集めています。最後の話では、村のしきたりが引き起こした取り返しのつかない悲劇が描かれ、人の念がいかに恐ろしいかを改めて突きつけます。怪異よりも人間の方がよほど恐ろしい。そんな言葉がじわりと胸に刺さる一冊です。

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絶賛1,261
好評1,202
普通436
不評41
酷評11

TOTAL 2,951 reviews

11おそろし 三島屋変調百物語事始

おそろし 三島屋変調百物語事始

2008年刊行

6,982pt

TOTAL SCORE

心に深い傷を負った17歳の少女おちかが、叔父夫婦の営む江戸の袋物屋「三島屋」に身を寄せるところから物語は始まる。叔父の計らいで、訪れる客たちの不思議な体験談を聞く役目を担うことになったおちかは、「魔鏡」「家鳴り」など、五つの怪談と向き合っていく。読者レビューにあるように、「怖い、でも切なく悲しい、そして愛おしい」という言葉がこの作品の本質を的確に射抜いている。幽霊や亡霊よりも、人間の心に潜む業の深さこそが真の恐怖であり、やがて各話の語り手たちが一堂に集う最終章で、物語は思わぬ収束を見せる。人の痛みに耳を傾けることが、自らの心を癒す力になるという深いテーマが、江戸情緒豊かな筆致で紡がれた連作短編集。

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絶賛1,243
好評1,543
普通902
不評78
酷評16

TOTAL 3,782 reviews

12理由

理由

1998年刊行

6,665pt

TOTAL SCORE

東京荒川区の超高層マンションで、凄惨な事件が起きた。室内で三人が、ベランダから転落した若い男を含め、計四人が犠牲となる。だがこの四人、そのマンションに住んでいるはずの家族とはまったくの別人だった。殺されたのは誰で、手にかけたのは誰なのか。ドキュメンタリー手法による関係者インタビューで、じわじわと核心へ迫る構成が唯一無二の読み応えを生む。バブル崩壊後の時代を背景に、競売物件や占有屋といった現代社会の暗部を絡めながら、「家族とは何か」という問いを多角的に掘り下げる。帰る場所も行くところもないことと、自由であることは全然別だという言葉が、深く胸に刺さる直木賞受賞作。

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絶賛1,307
好評2,330
普通3,870
不評477
酷評138

TOTAL 8,122 reviews

13あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続

2018年刊行

6,377pt

TOTAL SCORE

江戸は神田の袋物屋・三島屋で続けられてきた、語り捨ての変わり百物語。傷ついた心を抱えて叔父の元に身を寄せたおちかが、聞き手として務めてきた三年間の集大成となる全五篇が収録された、第一期完結篇です。塩断ちが招いた恐ろしき「行き違い神」に家族を次々と奪われた末吉の話「開けずの間」、亡者を呼び起こす声を持つ女中が藩の悲劇に寄り添う「だんまり姫」、封じられた面の監視役として雇われた性悪な小女の告白「面の家」など、怖くも切なく、時に温かい怪異譚が綴られます。そして表題作では、書き写した者の寿命を映し出す不思議な冊子をめぐる物語が語られ、おちかは自身の運命を変える大きな決断を下します。怖いけれども癖になる、極上の江戸怪談です。

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絶賛1,086
好評615
普通166
不評17
酷評11

TOTAL 1,895 reviews

14ステップファザー・ステップ

ステップファザー・ステップ

1993年刊行

6,247pt

TOTAL SCORE

プロの泥棒が、仕事中の失敗で屋根から落ちたことをきっかけに、両親が駆け落ちして二人きりで暮らす中学生の双子に弱みを握られ、疑似父親を務めるハメになる。「僕らも」「それを考えた」「だけどね」と一文ずつ交互に話す双子のセリフが痛快で、読者からは「双子がとにかくかわいい」と絶賛の声が相次ぐ。プロの泥棒が授業参観に駆り出され、双子と共に次々と奇妙な事件に挑む様子は、笑えて切なく、後味は抜群によい。裏稼業の疑似父と遺棄された子供たちの間に静かに芽生える絆が、作品全体をほのかに温かく照らす、ユーモアとミステリーが絶妙に絡み合った連作短編集。

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絶賛1,106
好評1,369
普通1,937
不評160
酷評32

TOTAL 4,604 reviews

15この世の春

この世の春

2017年刊行

6,124pt

TOTAL SCORE

舞台は江戸時代、北関東の小藩。名君と称えられた藩主が突如として座敷牢に幽閉される。時に少年のように、時に女のように振る舞い、正体不明の別人格を宿す元藩主の姿は、周囲の者を深く困惑させた。根切りにされた村、城下から消えた子どもたち、そして藩を揺るがす陰謀。落ち着いた文体と美しい自然描写の奥に、唐突に顔を出す残忍な過去の影。ミステリー、サスペンス、そして時代小説の技巧を余すところなく凝らした大作であり、読者からは「これはすごいぞ」と絶賛の声が上がる。陰惨な真実が積み重なる一方で、真摯にひたむきに重興と向き合う人々の優しさと力強さが物語を支え、やがて春の光が差し込む。

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絶賛972
好評1,295
普通611
不評79
酷評25

TOTAL 2,982 reviews

16日暮らし

日暮らし

2004年刊行

6,108pt

TOTAL SCORE

鉄瓶長屋の事件から一年。植木職人に戻った佐吉が、実の母を手にかけた疑いで捕らえられる。しかも相手は十八年前に生き別れた母、葵だという。辛くても悲しくても決して消えてなくなりはしない遺恨と嘘。事件の背後には、大店湊屋のお家事情が見え隠れする。佐吉の無実を信じる本所深川の同心・平四郎と、超美形の甥・弓之助が、過去の隠し事が折り重なった謎へと踏み込んでいく。日向もあれば日陰もある、そんな江戸の日々の暮らしを人情の深みで描き、バラバラに見えた短編の数々が実は周到な伏線として機能する構成も見事。一日一日を積み上げるように生きる人々の、まっとうさと業の深さが沁みわたる、感動の大団円。

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絶賛913
好評1,175
普通942
不評25
酷評3

TOTAL 3,058 reviews

17龍は眠る

龍は眠る

1991年刊行

6,044pt

TOTAL SCORE

台風の夜、雑誌記者の高坂が道端で立ち往生していた少年を車に乗せる。その少年は「自分は超常能力者だ」と告げ、走行中に遭遇したマンホール転落事故の真相を言い当てる。半信半疑の高坂だが、やがて元婚約者の誘拐事件に巻き込まれ、少年との奇妙な関係は深まっていく。同じ能力を持つもう一人の青年も事件に絡み、物語は予想外の方向へと転がっていく。他人の心を読んでしまうという能力は、祝福ではなく呪縛であり、知らなくていい真実を知り続ける苦悩がリアルに描かれる。サイキックという題材でありながら、ミステリーとしての緊張感も損なわれない。正義感の意味を問いかける切なる結末は、多くの読者の心を揺さぶっている。

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絶賛944
好評1,440
普通2,335
不評138
酷評26

TOTAL 4,883 reviews

18名もなき毒

名もなき毒

2006年刊行

6,022pt

TOTAL SCORE

大企業の広報室に現れたアルバイト女性、原田いずみ。経歴詐称に始まり、解雇後も執拗な嫌がらせを繰り返す彼女は、まさに「どんなに対処しても這い上がってくるゾンビ」のような存在だ。そんな厄介な問題を抱えながら、街では無差別と思しき連続毒物事件が人々を震撼させていた。薬物による毒、土壌汚染という毒、そして人の心に宿る悪意という毒。これら三つの毒が絡み合いながら物語は進んでいく。派手な謀略や鮮やかな推理より、人間の内側を丁寧に解剖するような筆致が際立つ一作。吉川英治文学賞を受賞した、杉村三郎シリーズ第二弾。

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絶賛887
好評1,889
普通1,908
不評200
酷評50

TOTAL 4,934 reviews

19小暮写眞館

小暮写眞館

2010年刊行

5,956pt

TOTAL SCORE

廃業した写真館をそのまま住居にするという、風変わりな両親に連れられ引っ越してきた高校生の英一。そんな彼のもとに、ある日見知らぬ女子高生が一枚の写真を持ち込む。そこに写っていたのは、あり得ない場所に浮かぶ女性の顔だった。心霊写真の謎を解き明かそうとする英一だが、やがて物語は写真の謎を超え、花菱家が封印してきた深い悲しみへと踏み込んでいく。四話からなる連作構造で、章を追うごとに登場人物たちの過去が重なり合い、最終話では家族それぞれが抱えてきた喪失と向き合う感動の結末が待ち受ける。青春の煌めきと、生死を超える想いが詰まった、心温まるミステリー。

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絶賛1,020
好評1,882
普通1,519
不評289
酷評85

TOTAL 4,795 reviews

20クロスファイア

クロスファイア

1998年刊行

5,910pt

TOTAL SCORE

念じるだけで炎を操る超常能力、パイロキネシスを持って生まれた女性、青木淳子。法では裁けない凶悪な若者たちを己の手で葬ることを決意した彼女は、「あたしは装填された銃だ」という言葉を胸に、孤独な戦いを続ける。一方、不可解な焼殺事件を追う刑事・石津ちか子は、その背後に潜む異能の存在へと迫っていく。さらに謎の自警組織ガーディアンが淳子に接触を図り、物語は予測不能な方向へと加速する。正義とは何か、裁きとは何か。上下巻にわたって丁寧に張り巡らされた伏線が収束するラストは、「なんて切ない、それ以外の言葉が出てこない」と読者を唸らせる。強大な力ゆえの孤独と、そこに芽生えた切なくも痛切な愛が胸を打つ、哀しきスーパーヒロインの物語。

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絶賛865
好評1,469
普通2,579
不評146
酷評24

TOTAL 5,083 reviews

21魔術はささやく

魔術はささやく

1989年刊行

5,828pt

TOTAL SCORE

一見無関係に見える三つの不審な死。一人は高層マンションから、一人は地下鉄のホームで、そして一人はタクシーの前で命を落とす。それぞれは社会面の片隅に載るだけの、ありふれた事故や自殺として処理された出来事だった。しかしその陰には、恐るべき共通の仕掛けが潜んでいた。逮捕されたタクシー運転手の甥である16歳の少年、守が独自の調査を始めると、闇から覗かれているような奇妙な感覚とともに、糸が少しずつほどけ始める。催眠術やサブリミナル効果といった人の深層心理への働きかけを軸に、個人の欲望と社会の歪みが絡み合う構造が巧みに描かれる。さらに真相が明らかになった先にも、物語は予想外の方向へ展開し、守の選択が静かな問いを残す。日本推理サスペンス大賞を受賞したデビュー長編。

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絶賛858
好評1,643
普通2,952
不評220
酷評57

TOTAL 5,730 reviews

22泣き童子 三島屋変調百物語参之続

泣き童子 三島屋変調百物語参之続

2013年刊行

5,702pt

TOTAL SCORE

江戸は神田の袋物屋・三島屋で営まれる、変わり百物語。叔父の姪として身を寄せるおちかが、ただ一人で語り手と向き合い、話を聞いては聞き捨てるという独自の形式で、様々な怪異が積み重なっていく。ある日、骸骨のように痩せた男が三島屋を訪れ、特定の人物の前でだけ泣き止まない童子の話を語り始める。その童子に隠された恐ろしき秘密は、読者の背筋を凍らせる。優しく温かな話から、心底ぞっとする話まで全六編を収録。現代でいうプレミアムカウンセリングとも評されるこの百物語を通じ、おちか自身の心の傷も少しずつ癒えてゆく。死や罪に関わる話が並ぶにもかかわらず、読後に温かな気持ちが残る稀有な怪奇譚集。

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絶賛837
好評842
普通315
不評32
酷評7

TOTAL 2,033 reviews

23三鬼 三島屋変調百物語四之続

三鬼 三島屋変調百物語四之続

2016年刊行

5,617pt

TOTAL SCORE

江戸の袋物屋、三島屋の奥座敷、黒白の間。ここでは一度に一人の語り手を招き、怪異の話を語り捨てていく変わり百物語が営まれている。聞き手はおちかという若い女性。今回集う語り手たちは、あの世への道が開いた村の顛末、食いしん坊な守り神と弁当屋の奇妙な共存、そして極貧の山村に潜む鬼の真実を打ち明ける。妖よりも人間の業の深さが恐ろしく、怪異に託された悲しみが胸を刺す。「生き延びるために辛い思いをし、心に澱を溜めてしまうのは、いつだって最下層の者たちだ。」そんな重苦しさの合間に、食いしん坊の神様がもたらすほっこりとした温かさも顔を出す。語りを重ねるうちに、おちか自身にも新たな出逢いと別れが訪れ、彼女の生きる覚悟が静かに問われていく。

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絶賛817
好評645
普通187
不評18
酷評4

TOTAL 1,671 reviews

24ペテロの葬列

ペテロの葬列

2013年刊行

5,288pt

TOTAL SCORE

拳銃を手にした老人が、丁寧な口調でバスを制圧する。乗客の一人として居合わせた主人公が目撃したその事件は、警察の突入であっけなく幕を閉じたかに思えた。ところが数日後、すでに命を絶ったはずの犯人から、乗客全員に約束通りの慰謝料が届く。貧しい老人がなぜ大金を用意できたのか。その謎を追ううちに浮かび上がるのは、膨大な被害者を生んだ巨大詐欺の闇と、人間の欲望が連鎖する群像だ。被害者がいつしか加害者へと変貌していく構図は、現実社会の暗部を鋭く照らし出す。さらに物語の終盤では、主人公の私生活にも予想外の亀裂が走り、読者を深い余韻へと引き込む。ページを繰らずにはいられない長編ミステリーの真骨頂。

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絶賛685
好評1,389
普通965
不評124
酷評29

TOTAL 3,192 reviews

25初ものがたり

初ものがたり

1995年刊行

5,234pt

TOTAL SCORE

江戸の下町、本所深川一帯をあずかる岡っ引き「回向院の旦那」こと茂七親分が、手下とともに、鰹や白魚、柿など季節の「初もの」が絡んだ難事件に挑む連作短編集。ときに妖しく、哀しく、優しく艶やかに人々の心に忍び寄る物語は、まさに「ミヤベ・ワールド全開」の人情捕物ばなし。謎めいた稲荷寿司屋台の親父、霊力を持つ拝み屋の少年など一癖ある脇役たちが物語に深みを与え、被害者と加害者それぞれの背景に宿る「やるせなさ」も丁寧に描かれる。文庫未収録の三篇を加えた完全版では、さらに人間の縁の不思議と業の深さが色濃く滲み出る。稲荷寿司屋の親父の正体と過去は最後まで謎のまま語られず、読者をじわりと引き込む余韻を残す。

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絶賛705
好評888
普通948
不評28
酷評12

TOTAL 2,581 reviews

26黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続

2019年刊行

5,112pt

TOTAL SCORE

江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。長らく聞き手を務めてきたおちかの嫁入りにより、役目は甘いもの好きの次男・富次郎へと引き継がれた。新米聞き手を迎えて幕を開けるのは、亡者の執念が家族を崩壊させる話、理不尽な呪いが末代まで続く恐怖、そして異形の屋敷に迷い込んだ六人の男女が、自らの罪と向き合わされる表題作と、全四話。とりわけ表題作は圧巻の長編で、霧に閉ざされた怪しき御殿の描写と、一人また一人と犠牲になっていく息詰まる緊張感が読者を釘付けにする。怖ろしさに凍りつきながらも、人の縁や温かさに心ふるえる。宮部流江戸怪談の真骨頂が、新章でさらなる深みへと踏み込んだ一作。

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絶賛714
好評610
普通252
不評23
酷評16

TOTAL 1,615 reviews

27きたきた捕物帖

きたきた捕物帖

2020年刊行

5,064pt

TOTAL SCORE

舞台は江戸深川。親代わりだった岡っ引きの千吉親分をふぐの毒で突然亡くした十六歳の北一が、文庫売りで細々と生計を立てながら、周囲の人々に助けられて事件や怪異に立ち向かう、全四話の連作短編集です。気弱ながらも誠実な主人公・北一と、謎めいた相棒・喜多次、二人の名前を合わせた題名には、これからのコンビの活躍への期待が込められています。盲目でありながら鋭い洞察力を持つ亡き親分のおかみさんが安楽椅子探偵として謎を解き明かす痛快さも見どころです。宮部ファンには過去作との繋がりという仕掛けも散りばめられており、謎解きと怪異と人情が三つ巴となった、まさに宮部ワールドの要ともいえる時代ミステリーです。

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絶賛655
好評716
普通242
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酷評11

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28あかんべえ

あかんべえ

2002年刊行

5,039pt

TOTAL SCORE

江戸深川に開かれた料理屋ふね屋に、成仏できない亡者たちが住み着いていた。抜き身の刀が宴席で暴れ出すという怪事件の夜、その姿を見ることができたのは12歳の娘おりんただひとりだった。あかんべえをする少女、美男の若侍、色っぽい姐さん、按摩のじいさん、そして暴れ者。個性豊かな亡者たちと心を通わせるうちに、おりんは30年前の忌まわしい因縁へと辿り着く。「ストーリーから判断すれば純粋なホラーだが、作者は怖さを狙ってはいない。恐怖を描きながらも、それを生み出してしまった人間の弱さに対する哀しみと同情を忘れない。」ファンタジーとミステリと人情味が絶妙に溶け込んだ感動の時代長編。

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TOTAL 2,299 reviews

29桜ほうさら

桜ほうさら

2013年刊行

4,790pt

TOTAL SCORE

江戸深川の富勘長屋に移り住んだ22歳の若侍、古橋笙之介。故郷で父が汚名を着せられ自刃し、兄は蟄居の身となった過去を胸に秘め、写本の仕事で糊口をしのぎながら真相究明に奔走する。頼りなく世間知らずな笙之介を、おせっかいながら温かい長屋の面々や貸本屋の治兵衛が見守り、桜の精のように神秘的な少女・和香との淡い縁も芽生える。上巻はほのぼのとした江戸暮らしと市井の謎解きが軸となるが、下巻で藩の御家騒動に絡む巨大な陰謀が姿を現し、物語は一気に緊張感を帯びる。絡み合った糸をほぐした先に待つ真実は、笙之介にとって残酷なものだった。全600ページを超える読み応えながら、人情と機知に富んだ筆致で一気読み必至。武家物でありながら家族小説、青春小説でもある重層的な物語。

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絶賛554
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30昨日がなければ明日もない

昨日がなければ明日もない

2018年刊行

4,681pt

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杉村三郎シリーズ第5弾は、「杉村vs.ちょっと困った女たち」をテーマにした中篇3本を収録。自らの命を絶とうとした若妻の失踪の裏で渦巻く陰惨な事件、ふたつの披露宴が同日に崩壊するという前代未聞の婚礼の場、そして子供の命を盾に金銭を要求する奔放な女性との対峙。名探偵というよりお困りごと承り屋として、丁寧に話を聴き事実を確認する杉村のスタイルが際立つ。登場人物の誰かに感情移入し、悲しみに揺さぶられ、悪意について考えさせられる、どれも濃い話ばかり。事件が解決しても犠牲者が生まれてしまう展開に、杉村のメンタルが心配になる。日常と地続きであるからこそ恐ろしく、「事件の背景から徐々に濃くなっていく嫌な感じ」が読者を圧倒する。

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31本所深川ふしぎ草紙

本所深川ふしぎ草紙

1991年刊行

4,483pt

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江戸の下町、本所深川に伝わる七不思議を題材にした七編の短編集。吉川英治文学新人賞を受賞した、著者初期の時代小説です。全編に登場するのは、本所深川一帯を預かる岡っ引き、回向院の茂七。主役ではないながらも、その存在感が物語を静かに引き締めます。謎解きよりも色濃く描かれるのは、慎ましく生きる江戸の庶民たちの人情と機微。命を奪われた商人の真相を追う「片葉の芦」、丑三つ参りを命じられた奉公人の娘が怪異に出会う「送り提灯」など、七不思議と人の業が絡み合うしっとりとした余韻は、時代を超えて心に響きます。七編すべてのラストに、僅かな希望の灯火が宿ります。

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32希望荘

希望荘

2016年刊行

4,391pt

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妻の不倫により離婚し、仕事も愛娘も失った男が、私立探偵として再出発を切る。そんな新たな一歩から始まる短編4篇の物語。些細に見えた依頼が、やがて思いもよらない過去の闇を引きずり出していく展開は、「調査していく過程で別の大きな闇を掘り起こしてしまう」という読者の声が示す通り。市井の人々の痛みに静かに寄り添いながら、悪意や人間の弱さを丁寧にすくい上げる筆致が光る。特に表題作は、亡き父が遺した「昔、人を手にかけた」という告白の真偽を追うなかで、35年の時を超えた衝撃の事実が浮かび上がる。「安定の読後感の悪さ」と称されるほどに、読み終えた後も心に重く残る余韻が特徴の一作。

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33誰か Somebody

誰か Somebody

2003年刊行

4,356pt

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大財閥の会長を義父に持ちながら、いたって平凡なサラリーマンとして生きる杉村三郎。そんな彼のもとに、義父の運転手だった梶田信夫が自転車にはねられて命を落としたという知らせが届く。残された娘姉妹は、亡き父の人生を本にしたいと願うが、姉妹の思いは真っ向から対立していた。父の過去を暴きたい妹と、それを隠したい姉。その溝の深さには、28年前の誘拐事件という秘密が横たわっていた。名探偵でも敏腕刑事でもない杉村が、梶田の人生を静かにたどり直すにつれ、謎はほどけるどころかその深みを増していく。派手な展開はなくとも、気づけばページをめくる手が止まらない。人間の光と影を丁寧に描き出した、杉村三郎シリーズの記念すべき第一弾。

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34魂手形 三島屋変調百物語七之続

魂手形 三島屋変調百物語七之続

2021年刊行

4,269pt

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江戸は神田の袋物屋・三島屋で、今日も風変わりな百物語が続けられる。語り手一人、聞き手一人。語って語り捨て、聞いて聞き捨てが原則のこの場に、三人の訪問者が胸の奥に秘めた話を持ち込む。摩訶不思議な力で火災を鎮める神器の真実、一途な愛が引き起こした悲しき出来事、そして迷える魂の水先案内を務める水夫との交流。怖さよりも切なさが胸に迫る三編は、人が人を想う気持ちの深さと、その深さゆえの哀しみを静かに映し出す。聞き手の富次郎は語られた話を墨絵に封じ込めることで聞き捨てとし、少しずつその役目に馴染んでいく。三島屋に舞い込んだ慶事の知らせに心が和む一方、最後に現れた不穏な人物の言葉が、次の展開への緊張感をじわりと高める。「小説の勘所をこれでもかとばかりに会得した書き手」と称される著者が紡ぐ、哀切と妖しさが絶妙に交差する江戸怪談。

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35あやし〜怪〜(改題: あやし)

あやし〜怪〜(改題: あやし)

2000年刊行

4,266pt

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江戸の町を舞台に、奉公人たちが遭遇する九つの怪異を描いた短編集。商家の座敷牢に秘められた一族の因縁、見た者の心の内を映し出すという不思議な鬼、年を重ねない謎めいた人物など、人間の業と怪異が複雑に絡み合う。怖いだけではなく、哀しく切ない余韻を残す話も多く、読者からは「鬼は人の心の闇が作り出したもの」との声も上がる。一人称で語られる各編は、話者の視点からしか真相に近づけない構造が不気味さを増幅させ、因果応報かと思えば理不尽が、理不尽かと思えば隠された因縁が浮かび上がる。江戸の生活風俗を丹念に描きながら、人の欲や嫉妬心が生む闇を鮮やかに浮き彫りにした渾身の奇談小説。

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36震える岩 霊験お初捕物控

震える岩 霊験お初捕物控

1993年刊行

4,081pt

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江戸の本所深川を舞台に、死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」という怪異が起きる。霊験の力を持つ姉妹屋のお初は、南町奉行の命を受け、与力見習の右京之介とともに探索に乗り出す。やがて油樽の中から幼い子が犠牲になった事件が浮かび上がり、謎は思わぬ方向へと広がっていく。その先に待っていたのは、百年前の赤穂浪士討ち入りに絡んだ、深く暗い怨念の連鎖だった。人は狡いし、汚い。だけど優しくて、美しい。怪異と人情が交差する江戸の闇の中で、若い二人が清々しく謎に挑む、霊験お初シリーズのデビュー作。

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37ICO -霧の城-

ICO -霧の城-

2004年刊行

3,976pt

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頭に小さな角を持って生まれた少年イコは、13歳の夜に角が大きく育ち、ニエの刻を迎える。断崖絶壁にそびえる霧の城へ連れてこられた彼は、鳥籠に囚われた少女ヨルダと出会い、手を取り合って城からの脱出を試みる。なぜ霧の城はニエを求めるのか。ヨルダが背負う悲しい真実とは何か。ふたりが城の深部へ踏み込むにつれ、過去に刻まれた哀しい出来事の幻が浮かび上がり始める。母娘の情が引き金となった悲劇、そして清々しいほどに苛烈な女王との対決。まるで別の大陸の知らない海辺を長く旅するような感覚と評されるほど、荒涼とした世界を駆け抜ける少年少女のみずみずしい物語。

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TOTAL 3,484 reviews

38この子だれの子(改題: 我らが隣人の犯罪)

この子だれの子(改題: 我らが隣人の犯罪)

1990年刊行

3,971pt

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隣人の飼い犬の鳴き声に悩まされた一家が、ついに「犬の誘拐作戦」を決行するという、ユーモラスな発端から物語は始まります。デビュー作となる表題作を含む全5篇を収録した短編集で、日常の中にひそむ小さな謎と、ちょっとした犯罪めいた行動が軽妙なタッチで描かれます。しかしただ笑えるだけでなく、最後の一行で「えっ、そっち!?」と唸らされるどんでん返しが随所に仕掛けられています。「何も、殺人や誘拐だけがミステリーの題材ではない」と感じさせる、ほっこりとした読後感も大きな魅力です。解説者の北村薫が「ミステリという建物の中に、まったく新しい部屋が開かれた」と絶賛した、瑞々しい筆致の一冊です。

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39天狗風 霊験お初捕物控2

天狗風 霊験お初捕物控2

1997年刊行

3,960pt

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真っ赤な朝焼けの中、一陣の風とともに娘が忽然と姿を消した。居合わせた父親は自身番に捕らえられ、やがて自ら命を絶つ。不思議な霊能力を持つお初と算学眼鏡男子の右京之介が神隠しの謎を追う中、第二の失踪事件が起きる。嫉妬と憧れ、美しさと醜さ、すべては表裏一体。女の心に潜む妄念が、やがて恐ろしいものの怪を生み出していく。捜査を助けるのは、人の言葉を話す小生意気なとら猫の鉄。お初との掛け合いは笑いを誘いつつも、物語はおどろおどろしい深みへと進んでいく。悲しみも苦しみも、恨みも嫉妬も全部吸い取ってくれる、重厚な長編時代ミステリー。

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40青瓜不動 三島屋変調百物語九之続

青瓜不動 三島屋変調百物語九之続

2023年刊行

3,798pt

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江戸は神田の袋物屋を舞台に紡がれる、ちょっと変わった百物語の連作。語り手が持ち込んだ不動明王像をめぐる表題作に始まり、悲劇に打ちひしがれた少女の執念が生んだ土人形、持つ者に才を与える代わりに周囲の命を奪っていく不思議な筆、そして人ならざる者たちの里で育った男が語る故郷の物語と、四つの怪異譚が語られる。恐ろしくもあたたかく、理不尽な運命に抗い懸命に生きる人々の姿が胸を打つ。怪談でありながら人情話でもあり、読後には優しい余韻が残る。聞き手の富次郎もまた、物語を受け取るたびに静かに、しかし確かに成長を重ねていく。

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TOTAL 1,062 reviews

41よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続

よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続

2022年刊行

3,786pt

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江戸は神田の袋物屋・三島屋で営まれる、語り手一人、聞き手一人の秘密の百物語。今回は全三話。呪いを肩代わりした少年が神々の賭場に迷い込む「賽子と虻」は、千と千尋の神隠しを彷彿とさせる異界譚でありながら、現実に戻った後も続く試練が容赦ない。川の渡しを守る兄に秘められた異類との縁を描く「土鍋女房」。そして表題作では、池の底でつながった異界から這い出す「ひとでなし」の恐怖が村を襲う、江戸版パニックホラーとも言うべき迫力の物語が展開する。恐怖が哀しみを背負って迫ってくる、と読者が語るように、怖さの奥底には常に人の情と理不尽な運命が息づいている。

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不評32
酷評8

TOTAL 1,112 reviews

42今夜は眠れない

今夜は眠れない

1992年刊行

3,756pt

TOTAL SCORE

ごく普通の中学一年生の家庭に、ある日突然5億円の遺贈話が舞い込む。相手は「放浪の相場師」と呼ばれた謎の人物。近所や同僚の態度は豹変し、脅迫めいた電話が相次ぎ、母の過去を疑った父は家を出てしまう。平和だったはずの三人家族が崩れていく様子を、息子の雅男の目線で描く。家族の絆を取り戻すべく、将棋部エースの親友・島崎とともに真相解明に乗り出す中学生コンビ。「人間て、杓子定規に割り切れるものじゃないからさ」というセリフが示すように、物語は単純な善悪では語れない方向へと転がっていく。随所に散りばめられた伏線がラストで見事に回収され、読後には不思議な爽やかさが残る作品。

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普通1,679
不評155
酷評29

TOTAL 2,989 reviews

43お文の影(改題: ばんば憑き)

お文の影(改題: ばんば憑き)

2011年刊行

3,706pt

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江戸の闇に潜む怪異と人の業を描いた、全6編の短編集。月明かりの下で影踏みをする子供たちの中に、ひとつだけ余分な影が紛れ込む表題作をはじめ、湯治帰りの若夫婦が宿で老女から聞かされる忌まわしい秘事、恨みの念を宿した亡者が人に憑く戦慄の物語など、ぞわりと背筋を粟立てる怪談が揃う。しかし宮部ワールドの真骨頂は、その恐ろしさの奥に滲む人情と切なさにある。怖いのは物の怪ではなく、人だ。読者からは「ぞっとするのに、最後はホロッとしてしまう」という声が相次ぐ。人気シリーズの懐かしい顔ぶれも登場し、ファンにとっては再会の喜びも詰まった一冊。

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好評693
普通404
不評41
酷評32

TOTAL 1,526 reviews

44悲嘆の門

悲嘆の門

2015年刊行

3,610pt

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ネット上にあふれる情報を監視するサイバーパトロール会社でアルバイトをする大学生が、同僚の失踪をきっかけに、不可解な連続事件の闇へと引き込まれていく。元刑事との出会いや、狼を名乗る謎めいた少女との遭遇を経て、物語は現実とファンタジーの境界を越えた世界へと踏み込んでいく。言葉は発せられた瞬間、書いた人間の内側にも積み重なっていく、という言葉の本質を鋭く突いた描写が随所に光る。ネット社会が生み出す悪意の拡散と、正義が暴力へと変質する危うさを描きながら、言葉と物語の根源とは何かという問いが全編を貫く。読者から、漆黒の闇に向かって懐中電灯を握りしめ螺旋階段を昇るような読書体験、と評された圧倒的な長編作品。

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絶賛402
好評1,132
普通1,263
不評313
酷評69

TOTAL 3,179 reviews

45子宝船 きたきた捕物帖(二)

子宝船 きたきた捕物帖(二)

2022年刊行

3,573pt

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江戸深川を舞台に、岡っ引き見習いの北一が謎に挑む捕物帖シリーズの第二弾。持てば子宝に恵まれると評判の宝船の絵から、弁財天だけが消え去るという不可解な怪異。そして時を置かず、北一の知るなじみの弁当屋一家が何者かに命を奪われる。嫉妬と妬みが生んだ人間の闇が、容赦なく描かれる一方で、記憶力抜群の新キャラ「おでこ」の登場や、謎に包まれた相棒・喜多次の素性が少しずつ明かされ、物語の奥行きが増していく。謎解き、怪異、人情が絡み合い、「宮部さんの作品らしい人間の闇」と「キャラクターたちの優しさや成長が心に沁みる」と読者を唸らせる。北一の純粋な心根が、周囲の人々を動かしていく温かさも見どころ。

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好評480
普通250
不評26
酷評4

TOTAL 1,084 reviews

46パーフェクト・ブルー

パーフェクト・ブルー

1989年刊行

3,554pt

TOTAL SCORE

探偵事務所で働く元警察犬のマサが語り部を務める、長編デビュー作にして傑作ミステリー。高校野球界のスーパースターが命を奪われ、焼かれた姿で発見されるという衝撃的な幕開けから物語は始まる。弟の進也、探偵事務所の調査員・加代子、そしてマサの三者が真相を追う中で、事件の背後には大手製薬会社による闇が浮かび上がる。読者レビューには「有り得ない話ではないなと思えるところが恐ろしい」との声もあり、社会的リアリティが作品の緊張感を底上げしている。文体は軽快でありながら、明かされる真実は重く、読後には深い余韻が残る。「事件が重くても読後感は軽快」と評されるバランス感覚も見事で、ミステリーとしての伏線回収も丁寧に仕上げられている。

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絶賛309
好評704
普通1,447
不評132
酷評19

TOTAL 2,611 reviews

47荒神

荒神

2014年刊行

3,504pt

TOTAL SCORE

元禄の世、東北の山間にひっそりと隣り合う二つの藩。長年にわたる確執と呪術が交差するその地で、ある夜、山村が一夜にして壊滅する。逃げ延びた少年が語る惨状は、想像を絶するものだった。人の業が生み出した、得体の知れない怪物。鉄砲も刀も通じぬ圧倒的な脅威に、力弱き者たちはいかに立ち向かうのか。「ヒーローらしいヒーローは生き残れず、力弱き者が立ち上がる」という構図が胸を打つ、著者渾身の時代伝奇活劇。モンスターパニックの迫力と、人間の闇が生む悲劇とが見事に絡み合い、圧巻の読み応えを誇る大作。

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絶賛360
好評603
普通478
不評87
酷評20

TOTAL 1,548 reviews

48幻色江戸ごよみ

幻色江戸ごよみ

1994年刊行

3,499pt

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江戸の下町を舞台に、睦月から師走まで十二ヶ月を彩る十二編の短編集。市井に生きる人々の暮らしは決して楽ではなく、その日常には終始仄暗さがつきまとう。子を思う母の無念、逃げ場を失った男の絶望、持ち主の秘密を封じ込めた曰くつきの行灯。夢とうつつが重なり合う摩訶不思議な世界が、江戸の四季と共に静かに描かれていく。笑いあり、戦慄あり、そして胸を締め付けるような切なさあり。どれもこれも余韻が残る終わり方で、物語の続きに思いを馳せずにいられない。市井の人の寂しさ、直向きさ、無念さを書かせたら右に出る者はいないと言われる著者の筆が冴え渡る一冊。

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絶賛308
好評536
普通880
不評53
酷評6

TOTAL 1,783 reviews

49英雄の書

英雄の書

2009年刊行

3,489pt

TOTAL SCORE

小学五年生の少女・友理子の兄が、同級生を傷つけて突然失踪するという衝撃的な事件から物語は幕を開けます。兄の部屋で不思議な声を聞いた友理子は、「エルムの書」に触れた兄が恐ろしい力を持つ「英雄」に憑かれてしまったことを知ります。兄を救い出すべく、「無名の地」と呼ばれる異世界へと旅立つ友理子。英雄の力は必ずしも善ではなく、人の心を狂わせる破壊的な側面を持ちます。物語は人を導く一方で、現実を歪める力も持つという深いテーマが根底に流れ、少女はその力に翻弄されながらも成長を遂げていきます。切なさと希望が交錯する圧巻の結末まで、読む手が止まらない本格ファンタジーです。

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普通1,903
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酷評142

TOTAL 4,387 reviews

50かまいたち

かまいたち

1992年刊行

3,465pt

TOTAL SCORE

江戸の夜を震撼させる謎の辻斬り、かまいたち。人を傷つけても金品には手を触れないその不気味な正体に、ある町医者の娘が迫っていく表題作をはじめ、全四編を収録したデビュー期の時代短編集。読者には見えている真実に気づかない主人公の行動がはらはらを生み出し、最終的な伏線回収が鮮やかな読後感をもたらす。後半の二編には霊的な能力を持つお初が登場し、のちのシリーズへとつながる宮部ワールドの原点を感じさせる。「自分だけは大丈夫などと思うなよ。悪心は誰の中にもある」という作中の言葉は、江戸の市井を舞台にしながらも普遍的な人間の本質を鋭くついており、時代を超えて読む者の心に響く。

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絶賛301
好評557
普通1,108
不評69
酷評12

TOTAL 2,047 reviews

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